菜の花オイル

水辺の百姓

残雪の北アルプスと菜の花のコントラストが美しい春の中山高原(写真:NPO地域づくり工房)

美麻高原 菜の花オイル

 北アルプスの美しい山並みを背景に、春には黄色い菜の花、秋には白い蕎麦の花が一面に広がる大町市美麻の中山高原は、人と自然が紡ぐ珠玉の風景。NHK連続テレビ小説「おひさま」のロケ地として脚光を浴びるこの場所も、一時はゲレンデとして利用され、スキー場の閉鎖以降は、荒廃地となり忘れられた存在でした。

 転機は、「この場所を放っておくのはもったいない」と地元農家がソバの栽培を開始したこと。すると、なぜか菜種も発芽した。土の中に眠っていたものが掘り起こされて芽を出したようです。かつて「信州は江戸の油田」と称されるほど菜種油の生産が盛んだった美麻地区、それなら栽培できるだろうと、菜種も作り始めたのでした。

 ここでは7月下旬に菜種とソバを一緒に蒔きます。全国的にも珍しい混作です。ソバは75日、10月に収穫できますが、菜の花はひと冬越した翌年の5月に咲くのです。かくして年に2回、大地のキャンバスは黄色と白で染められます。

 栽培しているのはキザキノナタネ。悪玉コレステロールを抑える効果のあるオレイン酸を多く含むよう改良された品種です。

 収穫された菜種を自家焙煎し、圧搾法で抽出、自然濾過したのが「美麻高原菜の花オイル」。精製していないバージンオイルで、素材本来の風味をダイレクトに味わうことができます。注文を受けてから搾るので、常に新鮮な状態で出荷されます。当初は、天ぷら油用として栽培が始まりましたが、フランス料理の石鍋裕シェフ(初代料理の鉄人)のアドバイスを受けて方針転換、日本唯一の注文搾油によるバージンオイルとして商品化されました。

 菜種油の自給率は0.04%(2010年)というほど国産の菜種油は貴重なもの。無農薬・有機肥料で育てられた国産品種となればなおさらです。その味は、ピーナッツのような香ばしさと、ほのかで爽やかな辛みが特徴。塩はもとより、醤油、酢、味噌などの和風調味料との相性が抜群です。この菜の花オイルを少量プラスするだけで、いつもの食卓が豊かに変化。香りと旨味が料理を引き立てます。その芳香は、中山高原で見た美しい菜の花畑を思い起こさせてくれることでしょう。

菜の花ステーション
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